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憲法改正は必要か(30)

昨日の続きです。
当時アメリカが日本をどう見ていたか、という点に関連するんですが、戦前から親米派の日本人はいるわけだし、アメリカに情報を流したり
協力したりする日本人は当然いたわけですね。戦時中、日本の機密が筒抜けだったというのは知られた話ですが…(永野護著「敗戦真相記」
2002年に詳しく書かれているのでお時間ある方はぜひご一読を)

そもそも松本4原則なるものは国会答弁で表明したものだからアメリカが知らないわけがない。ご丁寧に天皇の統治権存続を述べている。
具体的な案は知らなかったんじゃないかと思うかもしれませんが、毎日新聞の一記者がマル秘のハンコ押された文書を持ち出せるくらいだから
手に入れようと思えばいくらでも手に入るはずですね。

日本側の案はある程度予想できていたか、把握していたとおり、アメリカ側としてはある程度の構想(修正案)は持っていた、
憲法としての文章にするのは骨が折れたかもしれないけれど、だからこそ8日間でまとめ上げることができた、と考えれば辻褄が合うと思います。
ゆえに、安倍元総理の「たった8日間で作り上げた憲法なんですよ!」=だから憲法改正が必要だ! というヒステリックな主張は意味を成さないわけですね。 はい、却下。

じゃあなぜマッカーサーはもっと早くから日本に対して「こうしろ」と言わなかったんでしょうか。
実は松本4原則に見られる日本側の姿勢とアメリカ側の意向が食い違うことはマッカーサーもわかっていた。GHQが憲法改正案作成に取り掛からなくてはならない、と考えたのは昭和21年1月半ば。GHQ案作成を担当したGHQ民政局長のホイットニーは次長のケーディスにGHQとして憲法を作る権限があるかどうか調査を命じたのが1月24日です。

さて、これまで皆さんは
「2月1日の毎日新聞スクープを見てGHQが作成に着手した」
「日本側の提出した案に驚いてGHQ案作成を命じた」
と聞かされてきたと思いますが、実際、違いますよね…

明日もまたこの続きをお話しましょう

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