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憲法改正は必要なのか(13)

さて、昨日は憲法に書かれている、権力者が私たち国民に保証する自由と権利、そして権力者が私たち国民にしてはいけない事柄をご紹介しました。どうでしたか? 「これはいらない」というものはないと思うけど、絶対的に足りないと思うものはありましたか?
私はないです。
たしかに少し前ですが、「環境権」「プライバシー権」「知る権利」などを新しい人権に追加すべきだという議論がありました。
環境権について言えば、公害問題が起きたときに被害者を救済する憲法上の根拠がない、ということがその背景でした。またプライバシー権については個人の私生活に関することをみだりに公開されない権利のことですが、これもはっきりした憲法上の規定を置くべきだという議論でした。
たとえばある人が権利を侵されたとしますね。そうするとその反対側には権利を侵した人がいるわけです。公害問題を当てはめるとよく分かると思いますが、権利を侵された人(公害で健康被害を受けた人)を救済するために、公害を出しちゃいかんという法律を作ろうとすると、おのずと権利を侵した人(工場、企業)の活動を制約することになる。そうするとその法律は憲法第22条の職業選択の自由(経済活動の自由)に反することになるので憲法違反になるんじゃないの? 作れないんじゃないの? ってことになるわけです。だから同じような理屈でプライバシー権や知る権利、肖像権なんてのが議論されたわけです。でも結局、環境権もプライバシー権も別に作らなくても憲法第13条の「幸福追求権」ー
「すべて国民は…生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については。公共の福祉に反しない限り…最大限の尊重を必要とする」
の中に入れられるから、今となってはこれらの新しい人権の問題は影を潜めています。
結局、国民の自由と権利については、新しい問題が起きた際でも、今の憲法の規定の中で法律が作れるので、
憲法の第3章の部分ー国民に保証された自由と権利ーについては変える必要ないよね、っていうのが私の結論です。

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