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憲法改正は必要か(69)

昔私がある町で政治活動として戸別訪問をしていたときのこと、訪れたお宅でお年を召した女性と出会いました。
あの時代を生きた方です。
これまで自分の親も含め、多くの戦争を体験された方々から当時のことを聞いてきましたが、こちらの女性が話してくれたのはこんな内容でした。

「戦争が終わってね、いろいろ自由になったって教わってるでしょ。戦争が終わって人それぞれ感じることは違ったでしょうけれどね。
私はね、一番嬉しかったのは気兼ねなく電気がつけられるようになったことなんですよ。灯火管制、ご存知でしょ?
たかが電気、と思われるかもしれないけれど、本当に嬉しかったですよ。
ああ、これで電気が自由に点けられる、ああ、本当に戦争が終わったんだ。
しみじみそう思いましたね。
戦争中は本当に苦しかった。戦争ってね、そういうもんなんですよ。わかってもらえるかしらね。」

戦争は二度と御免、そういう意識が国民を支配していたのだろうと思います。
たしかにGHQから半ば強制された憲法に対する反発もあって1950年代は改憲・護憲の議論がかなり盛んだったといいます。
しかし忘れてはいけないのは、当時日本国を「運営」していく政治家であったり、官僚というのは戦前もその地位立場にあった人たちであり
一般国民の意識とはかなりの差があった、つまり彼ら政治家や官僚が思っているよりも国民ははるかに戦争というものに拒否反応を示し、
平和を望んでいたということなのだと思います。

だからこそ吉田茂は憲法改正を時期尚早と判断したのだろうし、当時の新聞各紙が憲法第9条について何ら問題にしなかったというのも合点がいきますね。

ではこの続きはまた明日。

 

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