さて、現在の日本国憲法が実質的意味において本当に押し付けだったのか、昨日までそれを検討してきたわけですが、結論として私自身は「押し付けには違いない」と考えています。
衆議院憲法調査会事務局による「『日本国憲法の制定過程』に関する資料」は こう書いています
1946年2月1日、松本案が正式発表前に毎日新聞にスクープされ、それによって松本案の概要を知った総司令部は、その保守的な内容に驚き、総司令部の側で独自の憲法草案を作成することにした。
マッカーサーは2月3日、ホイットニー民政局長に対し草案の中に次の三つの原則を入れるよう命じた。
(中略)
完成した総司令部案(いわゆるマッカーサー草案)は2月13日に日本政府に手渡された。
(中略)
日本側は、突如として全く新しい草案を手渡され、それに沿った憲法改正を強く進言されて大いに驚いた。
そして、その内容について検討した結果、松本案が日本の実情に適するとして総司令部に再考を求めたが、一蹴されたので、総司令部案に基づいて日本案を作成することに決定した。
皆さんもこの言葉の通り学校で習ったり、あるいはネット上の解説で教科書のように説明されているのを目にしたのではないでしょうか。
表面上はこのとおりですが、これまで書いてきた舞台裏の事実関係を見ると、日米両国の思惑が相当交錯していたことがおわかりいただけると思います。
ということで、形式的にも、実質上も、現憲法はGHQの押し付けだった、という結論をここで出したいと思います。
問題はそれが憲法改正を行わなきゃいけない絶対的な理由になるかどうかです。
押し付けと認めることと、だから憲法を変えなければいけないと言うこととは別だと思うのです。
明日はこれを考えます。
では。