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憲法改正は必要なのか(27)

憲法改正を求められた日本は明治憲法のどこをどのようにして変えようとしたのでしょうか。
昭和20年8月14日、日本はポツダム宣言を受け入れるわけですが、その際に条件としたのが国体の護持、つまり天皇制の存続でした。
天皇陛下の御聖断が下り、翌15日の玉音放送となるわけですが、どのような条項が要求されていたのか、ポツダム宣言第10条を見てみましょう

「日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自
並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ」

つまり民主主義を強化すること、言論、宗教、思想の自由と基本的人権を確立することでした。
日本側としては天皇制の存続さえ認めてもらえればOK、言うこと聞きますよ、ということなのですが、それまでの日本の体制のどこがどうダメだったのかは、具体的には何も書かれていない。
だから改正草案の作成にあたった松本烝治は、昭和20年12月8日の国会での質問に対して、改正にあたって次の考え方を示しています

1 天皇が統治権を総攬するという基本原則は変えない。
2 議会の権限を拡大する。天皇の権限をある程度制限する。
3 国務大臣の責任を国政全般に及ぼす。国務大臣は議会に対して責任を負う。
4 人民の自由および権利の保護を拡大する。十分な救済の方法を講じる。

これが松本4原則というものですが、昨日お話した明治憲法の最大の欠陥ー国務大臣が天皇と直結するーという縦割りの弊害は
3によって解消されるし、ポツダム宣言第10条の内容は4でカバーされる。問題は1と2。日本としては国体の護持(天皇制の存続)は
認めてもらえたと思っているから、天皇の権限も基本的にそのままで良いと考えているわけです。

はたして連合国はこれに納得するでしょうか… この4原則をもとにどのような改正案が出来上がったのでしょうか
明日はここを見ていきましょう

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